乾漆器店(いぬいしっきてん)でお盆に蒔絵を描く体験をしてきました

乾漆器店で蒔絵の体験ができます

漆器の製造、卸、小売を営み80年余りの乾漆器店(いぬいしっきてん)は烏丸丸太町の南東、竹屋町通高倉を西に入ったところにあります。

烏丸通から竹屋町通を東へ三本超えた南側です。

よく通る道なんですが、何故かすぐに通り過ぎてしまいます。

こちらに漆器を買いに行った時に京蒔絵(きょうまきえ)の体験教室があることを知りました。

「かぶれない漆(カシュー漆)を使って、好きな図案と色漆と金粉を蒔き仕上げます。キラキラ光る粉や渋い光の螺鈿を張ったりほのかなぼかしも使って仕上げた後、その場でお持ち帰りができます」ということです。

お店の方に伺うと…

お盆に決まった模様を描くそうですが、他のものでも大丈夫だということです。

 

基本で用意されているのはウレタンのお盆なんですが、木製のものがよかったので別のお盆を選びました。

春慶(しゅんけい)のお盆もありましたが、黒地のほうが絵が映えるかなぁ…と思ってシンプルなものを選びました。

他に写真立てなどもあります。

描く絵も好きな模様でOKだそうですが、金粉を使うので絵の量が多いと金額が上がるそうです。

予約制になっているので、後日描きたい模様を考えてトレーシングペーパーに描いてくるようにとのことでした。

蒔絵ってどんなことをするの?

<蒔絵体験のはじまりです>

 

下絵を写す

トレーシングペーパーに描いた下絵の裏側に胡粉(ごふん)でできるだけ細く線をなぞります。

その模様をお盆に写します。

木べらでトレーシングペーパーの上からなぞると綺麗に模様が写ります。

余分な胡粉はふるい落とします。

 

 

下絵を漆で描く

胡粉で白く描かれた線を黄色の漆でなぞっていきます。

これもできるだけ細く描くらしいのですが、かなり難しいです。

まずは紙の上で練習してから本番です。

 

今回、使用した漆はカシュー漆といってカシューナッツからできています。

本漆と違いかぶれないので安心ですね

 

漆をテレピン油で溶いたものを使用します。

 

落款入れ

自分のサインを描きます。

考えてなかったので、ちょっと迷ってしまいました。

 

金粉を蒔く

下書きが乾かないうちに、金粉を蒔いていきます。

真綿で金粉を漆に定着させていきます。

 

黄色の漆が金色になって綺麗です。

線が均一でなかったり歪んでいたりしますが、遠目に見れば大丈夫かな?

私はここまでで終了しましたが、本来ならこの後、漆で色付けしていきます。

 

 

色漆描き

金の線の内側に色漆で色を添えていったり、色を塗ったりします。

カシュー漆は色の種類が豊富です。

けれど余り多く使わないほうが仕上がりが良いような気がします。

 

螺鈿撒き

色漆の上から螺鈿を蒔く。

 

 

体験が終了したら、そのまま持ち帰れます。

カシュー漆は本漆よりも乾きが早いようですが、数時間は触らないでくださいということでした。

鏡面のお盆に蒔絵をしたので、景色が綺麗にお盆に映りますね。

 

漆って種類があるの?

ちなみに、本漆とカシュー漆の違いです。

 

漆塗の歴史は古く、現存するもので千年以上を経たものがたくさん残っています。

なので総合的な耐久性を考えると他の塗料では太刀打ちできないほど本漆が優れています。

 

しかし、本漆はかぶれる人もいます。

紫外線にとても弱く、日光にあたると急激に劣化します。

なによりも値段が格段に高額です。

特に日本産の漆は最近では寺社仏閣などの修復などに使われるのが主になっているようです。

 

カシュー漆はカシューナッツの殻から絞り出した油が原料です。

耐水性、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性に大変優れています。

それにカシュー塗料は色の種類がとても豊富です。

 

 

体験教室
個人    毎週火曜日、金曜日 9:00~16:00
葵祭時(5月14日15日16日)
祇園祭時(7月14日15日16日17日)
時代祭時(10月21日22日)
2名以上  毎日        9:00~16:00
出張教室は団体のみ(25名まで)
所要時間:約1時間30分
費 用:お盆3,240円から、写真立て4,320円から、ブローチ・ペンダント5,400円から

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京漆器・乾漆器店(いぬいしっきてん)
京都市中京区竹屋町通高倉西入ル
電話番号  075-231-3552
メール   ci@inuishikki.com
HP             http://www.inuishikki.com/

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