屋根の上の小さな守り神…鍾馗さん

京都のお家を守っている「ずんぐりむっくり」さんは誰?

みなさんは鍾馗(しょうき)さんってご存知ですか?
なにそれっ!って方が大多数ですよね。

私も、鍾馗さんが小屋根の上にいるのは知っていましたが、今回調べるまでは「守り神だろうなぁ…」ぐらいでした。
うちの屋根にも、鍾馗さんはちょこんといます。
昔、知らない人がピンポンを押して「鍾馗さんについて教えたください」と来られたことがあります。

 

 

鍾馗さんとは、主に中国の民間伝承に伝わる道教系の神様だそうです。
道教は現世利益を重視するなど、さまざまな思想を含んだ宗教なので、鍾馗さんも、魔除け、火除け、病気快癒などありとあらゆる役目を負わされていったようです。

日本では、疱瘡除けや学業成就に効があるとされ、端午の節句に絵や人形を奉納したりするそうです。
そういえばGWにお茶会に行った時の掛け軸が、鍾馗さんでした。

鍾馗さんの図像は魔よけの効験があるとされ、旗、屏風、掛け軸として飾ったり、屋根の上に乗せたりするそうです。
瓦の鍾馗さんを祀る風習は関西を中心に各地で見られるそうですが、最も多く見られるのが京都市内で3000体はくだらないそうです。

鍾馗さんは実在の人物だったってホント?

鍾馗さんは実在の人物とされています。
唐の初代・高祖の時代に科挙を受けるも、あまりに魁偉な容貌が災いして不合格となり、それを恥じて自ら命を絶ったそうです。
それを耳にした高祖が手厚く葬ったことに恩義を感じたそうです。

 

後の時代、楊貴妃との恋で有名な玄宗皇帝が高熱で寝込んだ際に玄宗の夢の中に現れます。
夢の中で楊貴妃の宝物を盗もうとして玄宗を悩ませていた小鬼を鍾馗さんが退治します。
その夢から醒めた玄宗は、病気が全快したのは鍾馗さんのおかげだと思います。
鍾馗さんはすでに死去していましたが、夢の中で皇帝を守ったことから、玄宗は、鍾馗さんを神として祀ったそうです。
玄宗は夢に出てきた鍾馗さんの姿を絵師に描かせ、邪気を祓う力があるものとして広めさせようとしたという伝説です。
以降、道教において鍾馗さんは魔除けの霊力を持つものとして信仰を集めるようになり、それが日本にも伝わってきたそうです。

京都での始まりはというと…
江戸時代の中期頃にお金持ちが建てた自宅の屋根に鬼瓦を設置しました。
すると向かいの家の娘が原因不明の病にかかって、どうしても治りません。
陰陽師にみてもらったところ、向かいの鬼瓦によって跳ね返された厄災が娘に降りかかっているとのこと。
鬼瓦に対抗して、中国の魔除けである鍾馗さんを祀って睨み返しをしなければならないということだそうです。

鍾馗さんは必ず長い髭を蓄え、中国の官人の衣装を着て剣を持ち、大きな眼で何かを睨みつけている姿であるそうです。
京都の屋根にいる鍾馗さんは色々なお顔をされていてとってもチャーミングです。
鍾馗さんさがしがてらの、お散歩も楽しいですよ。

ちなみに、鍾馗さんはど真ん中じゃなくて、ちょっとハスにいらっしゃいます。

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